食物繊維の食べる量を増やせば、死亡率が下がる?
こんにちは。豆太郎です。
今回は、食物繊維の摂取量と健康について紹介します。
食物繊維と聞かれると、個人的には栄養にならずに便として排出される, まるでプラスチックのような栄養素という感覚をもっているのですが、実は食物繊維が健康に効果があることが知られています。
今回は、食物繊維と死亡率の関係や、必要な一日の摂取量を紹介してきます。
食物繊維とは?
食物繊維とは、食べ物の中に含まれて人の消化酵素で消化することのできない物質です。消化酵素とは、食べたものを分解して血液に吸収しやすい形に変える物質で、炭水化物を分解する「アミラーゼ」やタンパク質を分解する「プロテアーゼ」が有名ですが、食物繊維は消化酵素でも分解することができません。
食物繊維の主な役割としては、以下のようなものがあります。
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脂質や糖、ナトリウムなどを吸着して体の外側に排出する働きがある。そのため、食物繊維を摂取することで肥満を防ぎ、便通をよくすることができる。
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食物繊維の一種である水溶性食物繊維は、善玉菌のエサとなり、腸内の働きを整えることができる。
上記のように、食物繊維は腸内の環境を整え、便通を改善するのに役立つことが分かります。
食物繊維の健康効果は?
では、食物繊維の摂取量を増やすことは、どのくらい健康的な効果があるのでしょうか?
以下に研究をまとめました。
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国立がん研究センターが行った日本人9万人を平均16年間に渡って調査したコホート研究では、食物繊維の摂取量が多いグループは、食物繊維の摂取量が少ないグループに比べて、死亡リスクが低いことが分かりました。とくに、食物繊維の摂取量の多さが全体の上位20%のグループは、下位20%のグループに比べて、男性は死亡率が22%、女性は18%ほど低いことが分かった。また、果物、豆、野菜に含まれる食物繊維は死亡率と関連していたが、穀物(米、小麦、大麦、そば、トウモロコシ)に含まれる食物繊維は死亡率とは関連が無かったとのこと。
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2015年に中国で行われた研究では、**食物繊維を最も多く摂取したグループと比べて全死亡率が23%ほど低いことが分かった。**また、食物繊維の摂取量が10g増えるごとに死亡率が11%減ることが分かった。
上記のことから、食物繊維の摂取量が少ない人が摂取量を増やすと、死亡率が約20%~23%くらい下がることが分かりますね。また、食物繊維を増やせば、増やすほど死亡率が下がるとのこと。ただし、日本の研究では果物、豆、野菜に含まれる食物繊維は死亡率と関連していたが、穀物に含まれる食物繊維は死亡率と関連していなかったとのことです。
このことから、以下のように食物繊維を摂取すると死亡率が低下することが考えられます。
- 食物繊維の摂取量をなるべく増やす。厚生労働省の一日の食物繊維の摂取量としては、男性21g、女性18gとなっているので、それ以上の食物繊維を取るように心がける。
- 食物繊維は、穀物(米、麦)ではなく、果物、豆、野菜から摂取するように心がける。とくに、100gあたりで食物繊維の摂取量が多い、切り干し大根(21.3g)、ごぼう(5.7g)、しいたけ(4.1g)、大豆(17.9g)がおすすめです。 また、干しもの系(切り干し大根、干しシイタケ、干しがき)は100gあたりの食物繊維が15g~30g程度含まれており、簡単に食物繊維の摂取量を増やせておすすめです。(参考:食品に含まれる食物繊維量一覧)
食物繊維と死亡率のまとめ
食物繊維は便通をよくする効果があり、研究では食物繊維を取っている人ほど、死亡率が低いことが分かりました。
また、厚労省が発表している日本人の一日の食物繊維の摂取量の目安は男性21g、女性18gであるにもかかわらず、最近の調査では日本人の食物繊維の一日の摂取量の平均は14gと推定されていて、目安よりも摂取量が少ないことが分かっています。
この結果から、食物繊維の摂取できていない人が多く、食物繊維で死亡リスクが下がることを考えれば、多くの人が食物繊維で得られえる健康的なメリットを無駄にしていることになります。
ですので、野菜・果物・豆を増やして、食物繊維を増やすことを意識しましょう。
以上、アンチエイジングの研究を紹介しました。 みなさん、ぜひ健康に気をつけて長く生きましょう!では、また来週にお会いしましょう!