孤独感が健康に及ぼす影響について まとめ

こんにちは。豆太郎です。 このブログでは、健康で長生きするためのアンチエイジング研究の最新情報をお届けします。

孤独が健康に与える影響について

今回は、2024年に掲載された千葉大学の中込教授のレビュー論文をもとに、孤独が健康に及ぼす影響について、まとめたいと思います。また、調査結果に関する個人的な見解を紹介したいと思います。

孤独と死亡率について

  • 2010年にジュリアンホルトらが行ったメタ分析では、148件の研究(308849人の参加者)全体で、より強い社会的関係を持つ参加者の生存の可能性が50%高くなることが分かった。ここで生存の可能性が50%高くなるとした見解では、オッズ比が1.5であることを示しています。具体的には、サンプルの100人のうち、生存している人が50人だとすると、社会的なつながりが強い人のほうが27.5人生きて、社会的なつながりが弱い人は22.5人生存しており、5人ほど社会的つながりを持っている人の方が多く生存していることが言えます。

オッズ比の算出方法は統計WEBが分かりやすかったです。

  • 2017年にジュリアンホルトらが行ったメタ分析では社会的孤立が1.29倍の死亡オッズと関連していることが分かりました。ここで、死亡オッズが1.29倍高いことは、100人のサンプルのうち、50人死亡したとすると、社会的孤立を感じる人は23人、社会的孤立が無い人は27人生存して、社会的孤立が無い人の方が4人ほど多く生存することになります。

  • また、Wangらによるメタ分析では、孤独や社会的孤立は32%の死亡リスクの増加と関連していたことが分かった。たばこの死亡リスクが1.3倍程度であることを考えると、たばこを吸うことと同様に孤独が健康に害を及ぼすことが考えられます。また、この研究では孤独や社会的孤立によって、がん死亡率を示しており、また社会的孤立では脳心血管病(脳梗塞や脳卒中)や乳がんのリスクが増加することが分かった。

上記のように、孤独や社会的孤立は、死亡リスクを1.3倍~1.5倍程度高め、がんや脳の病気を起こしやすいことが研究で示されています。

社会的孤立とうつ・認知機能について

また、とくに社会的な孤立は認知機能の低下やうつと大きくかかわっていることが研究で示されています。

  • 2018年にロスペキランピが行った研究では、社会的なネットワーク(友人、家族、同僚とのつながり)や社会的支援(身近な人からの励まし、モノの提供、情報提供)などの社会的関与指数の低さが認知症のリスクを1.3~1.5倍高めることが分かった。しかし、孤独感と認知症は関係がなかった。

  • また、2023年に行われた中込教授の研究ではパートーなー・子供・親戚、友人との交流が乏しい、社会参加がないといった人ほど、死亡率が高いことが分かった。とくに、友人との交流や社会参加が少ない人は、幸福度や健康に大きな悪影響を及ぼすことが分かった。また、その中でも友人との交流の少なさは認知症やうつのリスクと関連していた。

  • また、2014年に行われた縦断研究では、社会的交流の量のが時間が立つにつれて、うつ病と最もよく関連していたことが分かりました。つまり、社会的交流が少ない人は長期的に見て、うつ病になりやすいことが分かります。その理由として、著者は社会的な交流が少ない人は、ストレスにあった時に必要なサポート(励まし、情報交換、モノの交換)が行われず、ストレスに対処できないことが原因だと考えています。

上記のように、社会的な孤立は認知症とうつ病のリスクを高めることが分かりました。とくに、社会的な交流の量や、友達との交流は、時間が立つとともにうつ病・認知症に関連してくるので、若いうちからたくさんの人と交流しておくのが最適だと思われます。

とくに、研究では恋愛・パートナー・子供よりも、友人や社会参加を増やす方が認知症やうつの原因を防ぎ、幸福度が上がることが示されていました。ですので、孤独で悩んでいる人は、無理をして恋愛や結婚のことを考えるよりも、まずは友人を作ったり、ボランティアやイベントの手伝い等の社会的なつながりを増やすことを優先したほうが健康につながると思います。(僕が好きな「選択的シングル」っていう本でも、結婚よりも社会的なつながりを持っている独身の人の方が幸せ!っていってましたからね、、)

話が苦手、人と関わりたくない人はどうやって孤独を防げばいいのか?

上記にも書いたように、孤独には以下のデメリットがあります。

  • 孤独や社会的孤立は、死亡リスクを1.3倍~1.5倍程度高め、がんや脳の病気を起こす。死亡リスク1.3倍はたばこと同程度
  • 社会的な孤立は認知症とうつ病のリスクを高める

上記のように、孤独でいることはデメリットが大きいため、もし他人に話しかけるときに、自分が恥をかくことを恐れて話しかけるのをやめるのか、それとも勇気を出して話しかけて健康をえるのか、といったことを話しかける前に頭で論理的・合理的に考えると話しかける気になると思います。

これに関しては、ストレスは体にいい!と思うと、さらに話しかけやすくなるのかなと思います。

また、研究でも友人との交流の回数がうつ病・認知症のリスクと関連していたため、なかなか友人に対して積極的になれない人は、自分から遊びの予定を提案してみましょう。ただ、私も断られるのが怖かったり、遊んでつまらないと思われたくないという思いが強くて、友人に遊びの誘いをしたことがあまりなかったのですよね。 今回の研究をもとに友人との交流の健康的なメリットがを知ったため、まずは恐れるや不安は大きいものの自分から友人との交流の機会を作っていきたいと思いましたね。

以上、アンチエイジングの研究を紹介しました。 みなさん、ぜひ健康に気をつけて長く行きましょう!では、また来週にお会いしましょう!